
「無垢材」と「突板(つきいた)」。木製家具が好きな方なら、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
無垢材と突板は、家具がどのような構造になっているかを指しています。ですが、実際どのような構造になっているのかを知っている方は少ないのではないでしょうか。
この記事では、元インテリアショップの店員が、無垢材と突板がどのような構造になっているのかをわかりやすく解説します!
構造以外にも「代表的な木材の種類」と、木材家具に活用される「仕上げ方法」についても紹介。
細かいポイントですが、家具はそれなりの値段がするものですし、細部にこだわっても損はありません。
それではさっそく紹介してきます!
家具に使われている木材の種類を知ろう
まずは家具に使われることが多い木の種類について知っておきましょう。探してみるとたくさんの種類があることがわかりますが、代表的な木材は
- オーク材
- ウォールナット材
- パイン材
の3つです。それぞれ特性を紹介します。
オーク材
オーク材は日本でナラ材とも呼ばれている木材です。とても頑丈な木材で、家具にはもちろん、ウイスキーの樽などにも使われています。
傷がつきにくく、「虎斑」と呼ばれている木目が特徴です。
白めのナチュラルな風合いが特徴で、かわいめのインテリアによく合います。経年変化で飴色になっていくのも、長年使う中で嬉しいポイントですよね。
ウォールナット材
ウォールナット材は、高級感あふれるブラウンの色味が特徴の木材です。世界三大銘木の1つでもありますが、実はクルミの木ということでとても身近なところに存在しています。
オーク材と同様に針葉樹の一種で、傷がつきにくい、狂いが少ないなど、同じような特徴を持っています。
オーク材との違いは若干値段が高いことが挙げられます。理由は一本あたりから伐採できる素材が少ないから、と言われています。
艶出し剤を吸収しやすいので、美しい木目が楽しめる木材です。濃いめのブラウンはモダン・シックな印象のインテリアコーディネートによく合います。
パイン材
オーク材・パイン材が比較的高級家具に用いられるのに対し、パイン材は手頃な価格の家具にも活用されている木材です。
マツ科の木材で、もともと節が多い木材なのですが、節がないものは高価で取引されているみたい。オーク材よりも黄色みが強く、明るめの色合いは様々なインテリアコーディネートに馴染みます。
広葉樹なので柔らかく傷が付きやすいのが特徴ですが、その傷も経年変化のひとつとして愛でられる木材です。筆者が最もすきな木材です。
オーク材と同じように、経年変化で飴色に変化していくのがまた素敵です。
木材家具の構造は2種類(無垢材・突板)
それでは木製家具の構造について見ていきましょう!
木材家具の構造は2種類あります。「無垢材」と「突板」ですね。木材の家具は、基本的にこの2つのいずれかの構造で作られています。
それぞれの構造がどうなっているのか、メリット・デメリットなどをここで見ていきましょう。
無垢材構造
無垢材は簡単にいうと「木をそのまま使い、家具に仕上げる構造」のことをさします。 伐採した木を切断し 、削って仕上げられた1本の板材または角材を無垢材と呼びます。
それらを接着剤で張り合わせて (張り合わせられたものは正確には無垢集成材といいます)完成する家具が無垢材家具です。
製造過程でほとんど加工を行わないため、
- 狂い(木材の反りやねじれ)が少ない
- 木の風合いがしっかり感じられる
- 頑丈に仕上がる
といった点が特徴です。贅沢に木を使うため、値段は高めですが、長い間、世代を超えて愛用し続けられる頑丈な構造になります。
突板構造
突板は木をうすーくスライスしたもの(カンナで削りだされた木をイメージするといいかもしれません)を指します。
突板を芯材の両面に貼り合わせ、完成した板材で仕上げられた構造を突板構造といいます。
ここからさらに「フラッシュ構造」と「ベタ芯構造」に分けられます。
フラッシュ構造は芯材に木の枠組みを使ったもので、板と板の間に若干の空洞ができるのが特徴です。
ベタ芯構造は芯材に木ではなく、MDF(繊維状にした木材を固めたもの)やパーティクルボード(木片を接着剤と混合したもの)などの素材を芯に用いた構造です。空洞が生じない分、フラッシュ構造よりも頑丈に仕上がります。
木材の構造だけではなく、塗装にも注目しよう
木材家具は、傷や劣化を防ぐために仕上げに塗装を施すことが多いです。塗装については
- ウレタン仕上げ
- ラッカー仕上げ
- オイル仕上げ
の3種類が施されることが多いので、今回はこの3種類について紹介します。
ウレタン仕上げ
クッションなどに用いられるウレタンを溶かして、木の表面に塗装する加工です。最も用いられることが多い塗装方法です。
ウレタン塗装のメリットは傷や熱に強いことです。水にも強く、軽くこぼしてしまった程度なら乾拭きするだけでも十分きれいになります。
デメリットはそれなりに厚みがある塗装になるので木そのもののザラッとした風合いは損なわれます。触り心地はツルッとした手触りに。ツヤ感は少なめです。
ラッカー仕上げ
ウレタン塗装と同様に、汚れや傷などに強く、かつ木の風合いも残してくれるいいとこ取りの塗装です。ウレタン仕上げほどの強さはありませんが、オイル仕上げよりは頑丈な仕上がりになります。
デメリットは熱や水分には強くないこと。日光への耐性もなく、変色してしまうので、ランチョンマットやコースターを敷いてあげると劣化を防げます。
オイル仕上げ
文字通り天然油脂といったオイルを塗装し、乾燥させて仕上げるだけのシンプルな加工です。
メリットはキレイなツヤが生まれ、木材本来の風合いを損なわずに楽しめる点です。日焼けしやすく、経年変化がしやすいのも嬉しいポイントですね。
デメリットは最低限の加工なので、傷や熱、水などに弱いことです。
お手入れについては濡れ布巾で拭かずに、から雑巾や手のひらでサーッと全体を拭いてあげましょう。
終わりに
木材家具の構造・仕上げについて解説しました。単純な見た目の好みだけではなく、今回紹介したような機能面にも着目して家具を選ぶと、より愛着がわくのではないでしょうか。
ぜひ今回紹介した構造・仕上げの特徴を理解して、ご自身にピッタリな家具選びの参考にしてくださいね。
ライタープロフィール

- オハラージャパンです。総合ライフスタイルストアで家具部門の接客販売をしていました。シンプルな部屋がすきです。
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