
東京オリンピックの開催を2年後に控え、たびたびニュースにも取り上げられているのが、ホテルをはじめとした宿泊施設の開業ラッシュ。リニューアルやリブランドオープンも多く、常に話題に事欠かないホテル業界でも、ひときわ注目されているのが「コンセプトホテル」ではないでしょうか。
デザインやアート、ビューティ、体験型、ロボットにサイクリング、etc..。コンセプトもさまざまありますが、そんな中、次第に数を増やしているのが、「本の世界にどっぷりと浸れる」宿泊施設です。
その人気は日本にとどまらず、海外からも注目されているといいますから、本好きならずとも要チェックですね。
今回はそんな「ブックホテル」を特集。4つをピックアップし、それぞれの特徴をその魅力とともにご紹介していきます。よろしければ最後までお付き合いくださいませ。
すでに国内5店舗! “泊まれる本屋®️” がコンセプトの『BOOK AND BED TOKYO』
出典:(C)R-STORE2017 京都店内観
東京の池袋本店にはじまり、新宿、浅草、京都、福岡に店舗展開。この秋(11月予定)には、大阪・心斎橋に6店舗めをオープンすることを発表したのが、”泊まれる本屋®️” をコンセプトに掲げた『BOOK AND BED TOKYO』です。
数千冊の本が並べられた巨大な本棚と広々としたソファスペース、そして、本棚に囲まれるようにつくられたベッドスペース。間接照明や、本を使ったオブジェなど、おしゃれでSNS映えする空間と、一泊数千円という手ごろな宿泊料金が特に若い世代に受け、国内外から泊まりに訪れる数多くの人で賑わいます。
施設内の本を自由に読むことができるのはもちろん、ゲスト同士のコミュニケーションも楽しみのひとつだとか。特に女性の宿泊率が高いことから、新しいカルチャーとして全国に広がっていきそうな予感がします(ゲストの3分の1は外国人観光客といいますから、もしかしたら世界中?)。
日本経済新聞の記事によれば、池袋本店の稼働率が週末には95%を超える(!)そうですから、人気の高さが伺えますね。
8月新オープンで話題! “本との出会い”をテーマにした『箱根本箱』
出典:箱根本箱
言わずと知れた一大観光地・箱根にニューオープン!いま話題のブックホテルといえば・・・。
そう、こちらの『箱根本棚』です! ホテル名が表しているとおり、コンセプトは「本との出会い」「本のある暮らし」。
約1万冊(!)を取り揃えた箱根最大規模のブックストアをはじめ、「本箱ラウンジ」や「本箱シアター」といった、本との距離をぐっと縮めるさまざまな仕掛けがいたるところに散りばめられています。
特に注目したいのが、スペシャル企画である「あの人の本箱」。各界の著名人による、おすすめの本を集めた「オリジナル本箱」が、館内のさまざまな場所に設置されるとのこと。誰の・どんな本が待っているのか・・?それは、泊まった人にしか知ることのできない「お楽しみ」ですよ。
もちろん客室も、オリジナルの本棚と温泉露天風呂をしつらえたリラックス空間です。観光もいいですが、本の世界&温泉に日がなどっぷりと浸かる。時には、そんな贅沢な時間を味わってみたいものです。
新潟で人気! 立地&サービスが魅力の『BOOK INN 』
出典:BOOK INN
本棚の奥に潜む、秘密基地のようなベッドスペース。木の香りがただよう図書館のような空間で、思う存分、本の世界に浸れるのが、2017年4月にオープンした新潟のゲストハウス『BOOK INN (ブックイン)』です。
先にご紹介した『BOOK AND BED TOKYO』とよく似た業態で、3800冊以上の日本語と英語の本が取り揃えられており、フロントは24時間対応。シャワーブースや電子レンジ、冷蔵庫、ドリンクコーナー、無料Wi-Fiなど、サービスも充実しています。宿泊料金が手頃なこともあり、外国人観光客もたくさん訪れているよう。ゲスト同士の国際交流の場にもなっているといいますよ。
館内はコンクリートやミックスウッドを使った、シンプル&カジュアルなインテリア。快適な空間で、ゆったりと読書に没頭できそうです。
新潟駅すぐの好立地&1時間ごとのデイプランがあるため、カフェ代わりにもいいですね!
ツタヤが提案する新しいリラックス空間 『TSUTAYA BOOK APARTMENT』
最後にご紹介するのは、CD・DVDレンタル店を展開するTSUTAYA(ツタヤ)が東京・新宿に出店した『TSUTAYA BOOK APARTMENT(ツタヤ ブック アパートメント)』です。
コンセプトは “本を軸としたくつろぎの空間”。3フロアにそれぞれ異なるテーマが設けられており、スタイリッシュなインテリアが特徴的。リラックスして読書するのにぴったりのソファや、マッサージチェアなどもあり、本好きじゃなくても、ついつい長居してしまいそうです。靴を脱いでくつろぐスタイルなのも嬉しいですね。
ベッドはないものの、寝転がって本を読むことのできる個室ブースが完備されており、宿泊施設というよりは、漫画喫茶やインターネットカフェに近い印象。コワーキングスペースとしての利用もOKなほか、女性専用フロアがあるのも高ポイントです。
1時間500円から利用できるため、ちょっとした休憩や、空き時間を利用しての勉強・仕事、「終電を逃しちゃった!」といった際の宿泊先としても◯。こういった便利な施設は、全国にどんどん増加する予感がしますね!
いかがでしたか? 宿泊施設数が増加の一途をたどっている中、個性やコンセプトで他との差別化をはかるのは、数あるホテルの中で選ばれるための企業努力。利用する側からすれば、選択肢のバラエティが豊かになることは、非常に喜ばしいことです。
また、書店の減少が続く昨今において、「ブックホテル」が人気というのは、筆者としては個人的に嬉しく思っています。若者の「本離れ」が叫ばれて久しいですが、そうでもないのかな?と思い直した出来事にもなりました。機会があればぜひ、みなさんもブックホテルを訪れてみてはいかがでしょうか。
ライタープロフィール

- 大手メーカーカタログやホームページ掲載のインテリアアイテムの販促用コピーライトや、リフォーム事例の紹介を数多く手がけているフリーライター。好きなインテリアのテイストは、北欧系、ヴィンテージミックススタイル。自宅では、小さな子どもがいてもすっきりと片付くインテリアを模索する日々。
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